いまだによく分からない『インボイス』の話

税務用語
悩める個人事業主のたまご
悩める個人事業主のたまご

インボイス制度、登録はしたけど……正直まだよくわかってないんです。

そんな風に思っている方、意外と多いんじゃないでしょうか?
実は、私もそのひとりでした。

取引先から「インボイスに登録しておいてください」と言われて、
よくわからないまま番号を取得。
でも、インボイス制度を調べてもなんかよくわからない、
消費税を納めないといけないことだけはわかるのだけど……
なんとなくモヤモヤしたまま考えないようにしている、という状態。

「とりあえず登録したけど、何が変わるの?」
「仕入先が登録してないって言ってきたけど、それって問題?」

この記事では、インボイス制度について一緒に整理していきたいと思います。

インボイス制度って結局なんなの?

「インボイス制度」とは、ざっくり言えば

「誰にどれだけの消費税を払ったか」 を正確に記録・証明するための仕組みです。

今までは、「請求書さえあれば仕入税額控除できる」仕組みだったのですが、
これからは、「インボイス(=登録番号付きの適格請求書)がないと控除できませんよ」というルールに変わりました。

つまり、相手(親会社やクライアント)が消費税を納めていくうえで、
こちらがインボイス登録をしていないと、相手が損してしまう仕組みなんです。
だから「インボイス登録してください」と言われた、というわけですね。

まず大前提として――
「仕入れ先にインボイスを発行してほしい!」
と感じているのは “消費税を納めている人=一般課税の事業者”なのです。

消費税って誰が払って、誰が納めてるの?

まず私たちがよく耳にする「消費税」は実際には商品やサービスを買う「消費者」が負担している税金です。

ただし、この消費税を国に納めるのは事業者
つまり、事業者は「消費者から預かった税金」を、国にちゃんと納めなければなりません。

では、どうやって納める金額が決まるのか?
納める消費税=「もらった消費税」-「支払った消費税」となります。

「仕入れ税額控除」ってなに?図で見てみよう

この図に則って説明すると

たとえば、レストランを営む料理人さんがいるとしましょう。
この料理人は、野菜を農家さんから仕入れて、それを使って料理を作り、お客さんに提供しています。

このとき、

  • 仕入れるときにも消費税(100円)を支払い、
  • 売るときにも消費税(300円)を受け取ります。

この差額200円が、「国に納めるべき消費税」です。

支払った消費税を引いてもらえるから、本来の利益にかかる部分だけ納税できるというわけですね。

インボイス制度が始まる前までは、仕入先からもらった請求書に「インボイス番号(登録番号)」がなくても、この仕組み(一般課税の仕入れ税額控除)は使えていました。
ですが、インボイス制度が始まった今ではインボイス登録されていない事業者からの請求書では、消費税を払っていても“なかったこと”にされてしまうのです。

仕入れ先がインボイス登録していなかったら?

この図の仕入れ先がインボイス登録をしていないと…

受け取った消費税(300円)- 支払った消費税(0円とみなされる)= 納める消費税(300円)

となってしまいます😮

「インボイス登録していない人」から商品やサービスを仕入れても、

その分の消費税は控除できない=多く納税しなきゃいけなくなるということ。

これはなかなか問題ですよね🥲

インボイス登録していない仕入れ先にどう対応する?

  • インボイス登録をお願いする(ただし強制はできません)
  • インボイス登録をしている事業者に仕入れ先に変える
  • 消費税の申告時、仕入れ税額控除をあきらめて多く納税する(=実質負担が増える)
  • 「インボイス登録してないなら、取引条件(報酬)の見直しをさせてくれませんか?」というような交渉をする

インボイス制度には、「登録するかしないか」の選択がありますが、どちらを選んでも事業者にとっては悩ましい面があるわけです。

インボイス登録すれば消費税納税の負担が増え、

インボイス未登録のままだと、取引先から登録を求められたり、取引の継続に影響が出ることがあり、不安を感じる場面が生まれる

まさに板挟み状態になる事業者も多いと思います。

小規模事業者には「2割特例」もある

ただし、少し安心してもいいポイントもあります。
実は、小規模事業者向けに「2割特例」という制度が用意されています。

これは、消費税の納税額を“受け取った消費税の2割”にできるという制度で、2026年9月末まではこの特例が使えます(※条件あり)。

「消費税の計算が大変そう…」「納税がこわい…」という方でも、この特例を利用することで負担を減らせる可能性があります。

まとめ:私たちが知っておくべきこと

インボイス制度は、「登録した方がいいかどうか?」だけで判断されがちですが、「消費税の流れと仕組み」もしっかり知ておくことが一番大切なんだと感じています。

  • 誰が消費税を払っているのか?
  • なぜインボイスが必要なのか?
  • 自分が登録することで、何がどう変わるのか?

一つずつ理解していくことで、税金への苦手意識も少しずつ薄れていく気がしています。

私も最初は「よくわからないけど、言われたから登録した」という感じでした。
でも、少しずつ調べたり、図にまとめてみたりする中で、「ああ、こういうことだったんだ」と腹落ちしてきました。

このブログが、同じようなモヤモヤを感じていた方の少しでもお役に立てたら嬉しいです😊

ただ、我が家は2割特例を使っているので、うちの仕入れ先がインボイス登録していなくても今のところ問題ありません🤣

そのお話もまとめていきたいと思います。

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